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お子さまの状態に合わせて焦らずゆっくりと治療を進めます

口腔衛生ケアは離乳食の時期から始まります。当院は、「イヤイヤ期」を経験する時期だからこそ、正しい口腔ケアの習慣を身に付けていただきたいと考えています。小児期のお子さまには、自分で正しいブラッシングの基本を身に付けるとともに、定期的な検診とフッ素塗布で健康な歯の重要性を保護者の方と一緒に理解していただきたいと考えています。
小児期に正しいお口の使い方を習得できないと、乱杭歯と呼ばれる叢生(そうせい)の悪化、呼吸困難、悪い姿勢、長い顔などの症状が生じます。口腔機能発達不全症は放置期間が長いほど上記の症状が悪化します。骨格が成長段階にある小児の成長期に正しい予防/治療を行わないと、長年の習慣により治療や改善が難しくなることが少なくありません(成人では外科手術が必要になるケースがほとんどです)。呼吸困難による酸素不足から生じる集中力と生産性の低下だけでなく、そのまま高齢期を迎えると誤嚥性肺炎などのリスクが非常に高くなります。正しい口腔ケアはお子さまの一生を大きく左右する要因であることを保護者の方にご理解いただくのも当院の務めです。


お子さまの自主性を大切にした治療を行います

お子さまは3歳を境に精神面が大きく成長します。そこで小児歯科では、0歳児から3歳児の乳児期と3歳児から15歳までの小児期と方針を分けて治療を行います。
また、お子さまの自主性を重視し、治療が必要な場合には、教育的配慮をもったトレーニングを行った後に治療を開始します。治療に際しては、できるだけ痛みや不安がないように行っていきます。

0歳~3歳児の乳児期の治療方針

歯が生え始める頃(生後6カ月頃)から定期的(3~4カ月ごと)に検診にお越しいただきます。
歯みがき指導や虫歯予防処置を受けながら、虫歯や歯肉炎にならない生活習慣を身に付けていくことがとても大切だと考えています。

3歳以前で重視する点

●環境に慣れてもらうこと
●楽しく来院してもらうこと
●コミュニケーションを取ること

3歳以前の治療の特長

●虫歯予防を重視
「削る」「詰める」などの虫歯治療は基本的に避けます。
ただし、痛み・腫れなど症状がある場合には治療を行います。

3歳~15歳未満小児歯科の治療方針

歯みがき指導や虫歯予防処置をしながら、虫歯や歯肉炎にならない生活習慣を実践できるように誘導することを重視しています。
3歳以降になれば、歯並びの管理も重要になってきます。

3歳以降で重視する点

●歯と歯茎について学んでもらうこと
●お口の管理について学んでもらうこと
●楽しく通院してもらうこと
●コミュニケーションを取ること

3歳以降の治療の特長

●虫歯治療の開始
「削る」「詰める」などの基本的な治療をはじめます。また、虫歯予防は引き続き行います。

フッ素イオン導入法

イオン導入器を使用し、フッ素をイオン化して歯に浸透しやすい状態にして取り込んでいきます。
方法は、お子さまのお口に合ったトレイにフッ化ナトリウムを染み込ませて噛んでいただきます。
この状態でお子さまに電極を握っていただき、イオン導入を開始します。上下それぞれ数分で終わります。

フッ素塗布法

歯ブラシや綿球を用いてフッ素を歯面に塗布します。

◎フッ素塗布法とフッ素イオン導入法の比較ではフッ素イオン導入法の方が浸透割合は約5倍大きくなります。
◎継続して行うことで効果が高まります。少なくとも年2回、できれば年3~4回行うことをお勧めします。

当院ではお子さまのお口の機能を育てることに力を入れています。
小児(12歳児)の虫歯の本数は年々減少しており、平均0.2本と非常に少なくなりました。
それに対し、不正咬合は約65%(90%を超えるとの報告もあります。)と言われています。
お子さまの不正咬合は口腔機能発達不全症という病気と関連しています。あまり聞き慣れないかもしれませんが、
小さなお子さまのいらっしゃるご家族の方にはぜひ知っていただくべき病気です。
口腔機能発達不全症を放っておくと、「顎の成長不足につながり、顔の前後の幅が短くなり、上下に顔が長くなる」
「顎の成長に悪影響を与え、歯並びがより悪くなる」「顎の成長不足により空気の通り道である鼻腔や気道が狭くなり呼吸がしづらくなる」など、
大切なお子さまの将来に大きな影響を与えてしまいます。
口腔機能発達不全症は早期にトレーニングや治療等の解決に取り組むことで解消できます。
まず下記の一覧に該当する症状があるかチェックしてみましょう。

お子さまの口腔機能発達不全症チェック

食べる 歯並びが悪い
固い食べものが嫌い
食べるのが早い(ほとんど噛まない)
食べるのが遅い(なかなか飲み込まない)
肥満や低栄養がある
話す ポカンと口を開けている
目がたれて口がへの字
滑舌が良くない
話すときや食べるときにいつも口から舌が出る
涎(よだれ)が気になる
その他 顔にしまりがない
唇が厚ぼったい
口呼吸がある
いびきがある
いつも猫背である
舌にギザギザの歯の痕がある
舌が短い
舌を前に出すと先がくぼむ
肥満や低栄養がある

口腔機能発達不全症により発現する上記症状と口腔機能発達不全症について

上記の症状は、お口を上手に使えていないことが原因かもしれません。

お口を使って食事をすることは当たり前に身に付くものだと多くの人が考えているでしょう。実はこの当たり前は、当たり前でないのです。
お口の使い方は、赤ちゃんの頃の哺乳や離乳食、そして普通食への段階を経て徐々に身に付いていきます。
しかし、そのときどきの食形態や食事の取り方によっては上手なお口の使い方が身に付かないまま成長してしまうこともあります。
上手にお口が使えない症状を「口腔機能発達不全症」といい、2018年度より新たな病気として国が認め、治療の対象となりました。
改善により具体的にどういった有益な結果を得られるか。
口腔機能発達不全症に早期に気づき改善することで何でも良く噛み食べられる歯並び、顔つきが良くなる。健康で病気にかかりにくくなる
こうした結果を得られます。

当院は口腔機能発達不全症のトレーニングと治療を行っています

お子さまが上記の症状に当てはまる場合、口腔機能発達不全症の可能性があるので、できる限り早く歯科医院に相談しましょう。
みなみ歯科医院ではお口の状態のチェックや問診による診断を行い、症状に応じたトレーニングや治療を行っています。
症状によっては基本的な歯科治療や耳鼻科への紹介が必要になることもあります。早期に始めれば始めるほど大きな効果が期待できます。

口腔機能発達不全症を放っておくと

口腔機能発達不全症の症状を放置し、年齢にあったトレーニング・治療を行わなかった場合、下記のような悪影響を長期的に渡って与え続けることになります。

歯並びがより悪くなる

顎はお口周囲の筋肉の力や、噛むことで加わる力によって成長します。口腔機能発達不全症は顎の成長に悪影響を与え、顎が小さくなり、その結果として歯並びが悪くなります。

呼吸がしづらくなる

顎の成長不足により、空気のとおり道である鼻腔や気道が狭くなり、呼吸しづらくなります。

姿勢が悪くなる

鼻腔、気道が狭くなると、それを補うために、頭を前に出した猫背の姿勢を取り、口呼吸をするようになります。定着してしまうと、顎には後ろに引っ張る力が働き、さらに成長不足を引き起こします。

顔が長くなる

顎の骨は顔のほぼ半分を占めています。顎の成長不足は顔の前後の幅が短くなり、上下に長くなります。

口腔機能発達不全症は放置している期間が長いほど上記の症状を悪化させます。
骨格の異常はこの時期にしか対応できません(成人の場合、外科手術でしか解決できません)。
呼吸の問題による慢性的な酸素不足は集中力の低下や姿勢の悪化の定着など将来的に多くの病気の原因になり、
また勉強や仕事などのパフォーマンスに悪影響を与え続けます。
さらに高齢期に差し掛かったときに自力での食事が難しくなる口腔機能低下症になるリスクが高くなります。
子どものときのお口の発達は生涯に渡って影響してきます。