7番欠損(6番は残存)時の治療法%ef%bc%97%e7%95%aa%e6%ac%a0%e6%90%8d%ef%bc%88%ef%bc%96%e7%95%aa%e3%81%af%e6%ae%8b%e5%ad%98%ef%bc%89%e6%99%82%e3%81%ae%e6%b2%bb%e7%99%82%e6%b3%95

「右上/右下/左上/左下の7番(第2大臼歯)」が欠損したときの選択肢

対象:片側7番欠損— 7番欠損は咀嚼効率・咬合安定に影響しやすい部位です。

代表的な選択肢は①インプラント②1歯用の部分入れ歯③何もしないの3つ。まずは違いを短く整理し、詳しくはリンク先へ。

① インプラント(第一選択になりやすい)

欠損部の骨に人工歯根を埋入し、その上に被せ物を装着。隣在歯を削らない/清掃性◎/骨量維持に寄与が特長。

単独歯インプラントの構造(スクリュー・アバットメント・クラウン)
単独歯インプラント:隣の歯を削らず機能回復
  • メリット:両隣の歯を守る/噛み心地が自分の歯に近い/長期安定が期待
  • デメリット:外科処置が必要/治療期間が長め/全身状態・骨量に影響

② 1歯用の部分入れ歯(可撤式)

取り外し式の装置。外科なし/費用を抑えやすい一方、鉤歯(支えの歯)への負担や清掃難易度が課題。

1歯欠損用の部分入れ歯(クラスプ付き)
1歯義歯:装着感・清掃・鉤歯負担に配慮が必要
  • メリット:外科なし/適応範囲広い/費用を抑えやすい選択肢も
  • デメリット:鉤歯のう蝕・歯周炎・動揺のリスク/装着感・審美の許容が必要

当院の見解:入れ歯は支えている歯をダメにしやすい傾向。選ぶなら清掃性と適合に優れた保険外(自費)設計を推奨します。

③ 何もしない(非推奨)

時間とともに対合歯の挺出(スーパーループション)や、欠損隣在歯の傾斜・移動食片圧入咬合変化が生じやすく、後の治療が複雑化・高額化する傾向があります。

  • 起こりうること:対合歯挺出/隣在歯の傾斜・空隙/咬耗・咀嚼効率低下/顎堤の骨吸収
  • 注意:放置期間が長いほど、後でインプラントや補綴の前処置(矯正的圧下、骨造成等)が必要になる場合があります。

何もしないと…対合歯が挺出して咬合が崩れます

欠損部と咬み合う歯は、接触が失われると時間経過で挺出・傾斜・回転しやすく、咬合平面の乱れや清掃不良を招きがちです。

欠損放置による対合歯の挺出(スーパーループション)の概念図
対合歯の挺出イメージ(7番欠損で反対側の7番が下方/上方へ移動)

※図はイメージです。実際の対処法は症例により異なります。

比較の早見表(7番欠損・片側1歯)

観点インプラント1歯入れ歯何もしない
隣在歯への影響 削らない/守れる 鉤歯に負担(う蝕・歯周炎・動揺リスク) 傾斜・空隙化が進む
清掃性 歯間清掃◎(フロス・歯間ブラシ可) 装置・鉤周囲でプラーク停滞しやすい 食片圧入が増えやすい
骨量への影響 機能刺激で骨維持に寄与 骨維持効果は限定的 骨吸収が進行しやすい
治療期間 外科・治癒で長め 短め
長期安定 症例により最有力 鉤歯の管理がカギ 咬合崩壊リスク上昇
費用感 自費 保険/自費あり(自費推奨) 短期費用0でも将来コスト増の可能性

当院の考え(まとめ)

  • インプラント:全身状態・骨量が許せば、隣在歯を守り、清掃性・機能性・長期安定が見込める第一選択になりやすい治療です。
  • 1歯入れ歯:外科なしで短期回復が利点。ただし鉤歯のう蝕・歯周リスク管理は不可欠。選ぶなら自費設計を推奨。
  • 何もしない:対合歯の挺出・隣在歯の傾斜・骨吸収などが進行し、後の治療が複雑・高額化しやすい傾向。
まずはCT等で骨量をチェックし、最短経路でインプラントをご提案
※当院は静脈鎮静なし。必要時は提携先をご案内/メーカー:ノーベルバイオケア
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